センセイと一緒 ~feel.White~
肩を上下させる鈴菜を尚哉はぎゅっと抱きしめた。
……鈴菜を見つめる、熱を帯びた愛しげな視線。
鈴菜はその瞳に自分の心も体も吸い込まれていくような気がした。
「……ダメだね。こんなことしてると、理性がどんどん擦り減っていくよ」
尚哉は濡れた鈴菜の唇を指先で拭きながら、くすりと笑って言う。
鈴菜は茫洋とした頭で尚哉を見つめていた。
尚哉はしばらく鈴菜を見つめていたが、やがて思い出したように顔を上げた。
「そうだ。……君に渡したいものがある」
と言いながら尚哉が差し出したのは、白い紙切れ。
首を傾げた鈴菜の手に、尚哉はそれをそっと握らせる。
「おれの携帯の電話番号と、メールアドレス。家に帰ったら、ここにメールを入れて欲しい」
「……先生……」
「今日中に入れてね? 明日になっても来てなかったら、校内放送で君を呼び出すからね?」
くすりと笑い、尚哉は言う。
――――冗談ではなく、本当にしそうだ。
鈴菜は慌てて頷き、紙切れを握りしめた。