センセイと一緒 ~feel.White~
「……白崎先生?」
「……」
尚哉はある神社の前で足を止め、じっと鳥居を見つめている。
鈴菜はその横顔に息を飲んだ。
見ると、神社の前には『八坂神社』と書かれた石碑が立っている。
今年の正月に姉とともに初詣に来た神社だ。
鈴菜も尚哉の隣で、じっと鳥居を見つめた。
……夜闇に沈む神社。
どことなく怖い雰囲気も漂うが、鈴菜は心の奥で何かが引っかかるのを感じていた。
――――やはり、昔。
ここで何かがあったような気がする。
しかし思い出そうとするとなぜか胸が引き攣れるように痛む。
思い出してはならない、と本能が告げる。
これは、何なのだろうか。