センセイと一緒 ~feel.White~
4.永久就職?
10月中旬。
鈴菜は和泉と一緒に図書室で中間試験の勉強をしていた。
二学期最初の試験。
受験勉強はこれから山場を迎える。
「えっと、享保の改革は、公事方御定書を……」
鈴菜はノートを確認しながら教科書に沿って復習していた。
この部分は前に尚哉に教えてもらったところだ。
……あの時の尚哉の仕草、表情……
思い出すとなぜか胸がドキドキする。
「……」
胸の高鳴りとともに感じる、甘い胸の痛み。
幼心に尚哉に感じていた、淡い恋心よりも……遥かに甘く、切ない。
あの、鈴菜を見つめる視線も……強い恋情も……
尚哉の全てが鈴菜を惹きつけて離さない。