センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜が本堂の裏に回ると、尚哉が裏口のドアを開けて何やら作業していた。
黒いジーンズに白いシャツ、カーキのカーディガンというラフな格好だが、学校でのスーツ姿とは違うその恰好にドキッとしてしまう。
「あぁ、鈴菜。……今日は早いね?」
「……」
尚哉の言葉に、鈴菜はぐっと言葉を飲んだ。
……前回会った時。
家の用事で10分ほど遅れた鈴菜は、お仕置きという名目で酸欠寸前までキスされてしまった。
許してと言っても離してもらえず……。
――――次回は絶対に遅れるまい。
と鈴菜は思い、今日は時間に余裕を持たせて神社にやってきた。
尚哉は裏口の近くで、何やら紙でできた木のようなものを片付けている。
「……何ですか? それ」
「ああ、これは祓串といって、神事に使うものだよ。この間の氏子祭で使ったけど、もともと本家のものだから戻しておかないとね」