センセイと一緒 ~feel.White~
高校生の鈴菜にはよく分からないが……
公務員というのもけっこう大変らしい。
なるほどと頷いた鈴菜の腕を引き、尚哉は本殿の裏の石段の上に座らせた。
その隣に尚哉も腰を下ろす。
「……鈴菜は、将来どんな仕事に就きたいと思っているの?」
「仕事、ですか……」
鈴菜はうーんと考えた。
……今はまだ、特にこれと言ってなりたいものはない。
けれど……
日本史や世界史のように、昔のことを調べて研究するのはわりと好きだ。
となると、学芸員だろうか?
どうすれば学芸員になれるのか、よくはわからないが……。
「学芸員、とか……?」
「なるほど。君は歴史が好きだから、向いているかもしれないね?」
「まだどうすればなれるのかもわからないし、本当になれるかどうかもわかりませんけど」
少し笑いながら言った鈴菜に、尚哉はくすりと笑った。
「今はそれでいいんじゃないかな。大学に入れば、いろいろな道が見えてくると思うしね。大学に入ってから、じっくり考えてもいいと思うよ?」
「そうですね……」