センセイと一緒 ~feel.White~
なるほどと鈴菜は頷く。
やはり社会人である尚哉の方が、人生経験は豊富だ。
尚哉はそんな鈴菜を見、目を細めた。
「でもね、鈴菜。あまり迷っていると、おれは君を違う道に無理やり引きずり込むかもしれないよ?」
「……違う道?」
「そう。例えば永久就職の道とかね?」
鈴菜はぽかんと尚哉を見た。
……永久就職?
公務員、もしくは自営業のことだろうか。
高校生の鈴菜にはまだいまいちピンとこない。
怪訝そうな顔をする鈴菜に尚哉はくすくすと笑った。
「君にはまだ早すぎたみたいだね? ……本当に可愛いね、君は……」
「……?」
よくわからない。
鈴菜は首を傾げながら、くすくす笑う尚哉をじっと見つめていた。