メイプル*コイスル!

でも、『遊びに行く』って言ってたな……。

6組はアホな猛者が多いので女子が少ない。

あんな美少女が6組なんかに来たら、猛者たちは大騒ぎだろう。



まぁ、一人では来ないだろうし大丈夫だろう。


明日が少し楽しみになった俺は、軽快に家まで自転車をこいだ。




***





「……来ないじゃねーか、その女のコ?」

「おう……」



昼休み。

俺はガックリと肩を落としながらクソまずい弁当を食べている。


普段親が朝から仕事でいないので学食に行っている俺は、昨日の女子が現れることを期待して自力で弁当を作ったのだ。


美味いかって?

……さっき言っただろ、クソまずいって。



そして俺の横でグダグダと文句を洩らすチャラい男。

田代愛希という超女好きなチャラ男だ。


朝、愛希に昨日のことを話すと、興奮してずっとうるさかった。

しかし昼休みが始まって20分経っても未だ彼女は現れないので、ふてくされ顔だ。



「からかってたんじゃね?お前がエロい顔してたから」

「……!してるわけねーだろ、そんな顔」




いや、妖精のようだ!とかちょっと変態っぽい例えとかしたけどさ。



「あーあ、どっかに可愛い女の子落ちてねーかな……学食にでもナンパしに行かね?」

「あーはいはい、いってらー」



俺は彼女を待たなきゃいけないからな。

こんなに時間が経ってでも淡い期待を抱いてしまうのが、男の悲しい性だ……。
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