メイプル*コイスル!
愛希の前に置かれた大量の空き皿が彼女によって作られた物なのだと理解した。
清楚で可憐な妖精は、とんでもない大飯食らいだったのだ……。
「あのっ、ご飯終わってないから行けなかったの!放課後行くから……帰って帰って!!」
「え、あの、ちょっ」
そして何という怪力。
俺と愛希はあっという間に彼女によって食堂から押し出されてしまった。
何つーか、不思議な子だな……。
「あの子見つけた時に、すぐお前の言ってたあの子だってわかったんだよ。だからすぐ電話かけてさ」
「お前焦ってたよな」
男二人寂しく教室に戻りながら雑談する。
「そんで、彼女に声かけたわけよ。可愛いね、俺も一緒に飯食っていい?奢るよって」
「アホだろお前」
「そしたら、いいんですかっ!?って目キラキラさせてさ、あの大量の飯奢らさせられたんだよ……」
恐ろしい……。
無垢と言うのか、何と言うのか。
あの細い体のどこにそんな大飯が入るのだろう。
……と言うか改めて、愛希はアホだ。
これで懲りたかと思いきや、もうナンパNOWだ。
いや、INGがついてなんぴんぐ……?
何だっていいか。
そう頭の中で一人漫才を繰り広げている俺も相当なバカだ……。
そして運命の放課後がやって来た。