メイプル*コイスル!

「ゴメンね、お待たせー!」




そこに上園さんが帰って来た。

息を弾ませている、余程急いでくれたのだろう……。




「わざわざありが……あれ?」

「どうしたの?」

「飲み物買いに行ったんじゃ……」






上園さんはそれを聞くなり顎が外れそうなほど大きく口を開けた。

顔を真っ赤にして慌てている。




「そ、そそそ、そうだったよね!忘れてた!あははっ」

「じゃ俺買ってくるよー」





何を企んだのか愛希が去った教室で、俺と上園さんは二人きりだ。


……って言うか買うの忘れたって、どう考えても言いがかりだろ。


チラリと上園さんを見ると、バッチリ目が合ってしまった。

モジモジと顔を赤らめている。





「上園さん……?」

「あ、あのね松本くん」




来ました。

告白フラグからの『チャック開いてます!』とか言われてガッカリするパターンです。

スウッと大きく息を吸う上園さん。

そして教室いっぱいに飽和して響く大声でこう叫んだ。







「あたし、松本くんのこと好きになっちゃったのー!!」







とんでもない大声での告白。

俺は驚くと言うより、鼓膜が破れそうで呆然としていた。




そして呆然とする俺に、上園さんが抱きついて来た!

女の子特有の柔らかさが俺を包む。




「ちょ、上園さん……!」

「かーえーでっ」

「え?」

「かえでって呼んで?俊ちゃんっ」






ど……。


どこのエロゲだよこの早すぎる展開!!
< 8 / 9 >

この作品をシェア

pagetop