メイプル*コイスル!
「ゴメンね、お待たせー!」
そこに上園さんが帰って来た。
息を弾ませている、余程急いでくれたのだろう……。
「わざわざありが……あれ?」
「どうしたの?」
「飲み物買いに行ったんじゃ……」
上園さんはそれを聞くなり顎が外れそうなほど大きく口を開けた。
顔を真っ赤にして慌てている。
「そ、そそそ、そうだったよね!忘れてた!あははっ」
「じゃ俺買ってくるよー」
何を企んだのか愛希が去った教室で、俺と上園さんは二人きりだ。
……って言うか買うの忘れたって、どう考えても言いがかりだろ。
チラリと上園さんを見ると、バッチリ目が合ってしまった。
モジモジと顔を赤らめている。
「上園さん……?」
「あ、あのね松本くん」
来ました。
告白フラグからの『チャック開いてます!』とか言われてガッカリするパターンです。
スウッと大きく息を吸う上園さん。
そして教室いっぱいに飽和して響く大声でこう叫んだ。
「あたし、松本くんのこと好きになっちゃったのー!!」
とんでもない大声での告白。
俺は驚くと言うより、鼓膜が破れそうで呆然としていた。
そして呆然とする俺に、上園さんが抱きついて来た!
女の子特有の柔らかさが俺を包む。
「ちょ、上園さん……!」
「かーえーでっ」
「え?」
「かえでって呼んで?俊ちゃんっ」
ど……。
どこのエロゲだよこの早すぎる展開!!