魔王と女神のシンフォニア
いくつか近くをまわってみたがなかなか見当たらない。
次第に少女は泣きそうになってきた。

「もうお母さんに会えないのかな?」
「大丈夫。きっと会えるよ。」
優しくなだめてみるものの少女の目には涙がたまってくる。
「お母さん・・私のこと嫌いになっちゃったのかな」
「そんなことない!」
思わず声をあらげてしまった。少女は驚いた顔をする。
「きっとお母さんは君のこと大好きだと思うよ。だからもう少し頑張ろう。」
声のトーンを戻して出来るだけ優しく少女に言った。

「うん」
悲しそうではあるが少し立ち直ってくれたようだ。

僕たち二人はまた近くをまわってみることにした。
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