魔王と女神のシンフォニア

「あっ！お母さん！」
少女が顔をﾊﾟｯと明るくしてその者のところにかけよって行った。

「もう、何処に行ってたの」
「お母さんがいなくなったんだよ」
母親の方もほっとした様子で少女はとても嬉しそうだ。

「よかったね」
「うん！ありがとうお兄ちゃん。」
笑顔でこう言われるとこっちもついつい笑顔になってしまう。

「わざわざありがとうございます。あの、用事とかはなかったんですか？」
母親の方が言うのを聞いて思い出す。
「いや　全然用事なんてな・・・あっ」
入学式！今日入学式だ！

バッとその場を駆け出す。

「あのお名前は～？」
母親から聞かれる。

「差義理です。差義理歩と言います。ではこれで」
差義理と聞いた時に母親が、んっ？と何か思い付いたような顔をしていたのを知るよしもなく、急いで僕は学園に向かった。