魔王と女神のシンフォニア
「2日続けて遅刻するなて~ 度胸があるんですか~? それとも学習能力がないんですかね~?」
ニコニコしながら軽くきついことを言ってくるのは新米指導員 シフォン・アルカスである。

「いっ いえ すみません。」
言い訳をしたら更に倍返しで来そうなので素直に謝る。
まぁ、まだアリスが遅れてないだけ自分的にはマシだった。

アリスはとてもいい人でわざわざ僕の準備が出来るまで待つと言っていた。当然の如く、そんなことをすればアリスも遅れてしまうのは明白だった。

さすがにそこまではさせてはいけない!そう思い、なんとか言いくるめて先に行って貰ったのだ。

「あらぁ~ こんな時に他人の心配でもしてるんですか~」
「えっ!?いや」
この人はエスパーなのだろうか?希に心が読めるという者もいるとは聞くが。

「先生~ 心が読めるんですよ~」
相変わらずニコニコしながら行ってくる。

「まっ  マジですか?」
「いえ~ 冗談です~」
思わず転けそうになった。なかなか侮れない先生である。

「まぁ~ 属種検査に間に合っただけよしとしましょう~ 着いてきてください~」
シフォンはマイペースに歩きはじめる。
また歩きまわるはめにならなければいいのだが・・そんなことを思いつつ後を着いていく。

「今とても失礼なことをおもいませんでしたか~」
「いっ いえ。」
・・・やはり、なかなか侮れない人のようだ。
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