魔王と女神のシンフォニア

検査場は広い会場のようなところで何列かにわかれていた。

「まぁ～　適当に並んでてください～。」

そう言われたので列に並び自分の順番を待つ。
この検査が終われば今日はもう自由らしく、すぐ帰る者もいれば、周りがどのような候補生になるのか好奇心で残っているものもいた。

検査の方法は簡単で丸い宝石のような玉に触れると横にいる検査の指導員のような人がその人に属種を伝えると言うものだった。

宝石が魔力感知ができるとかで蓄積または潜在的な能力などを読み取り指導員の頭の中に情報が送られるとかなんとか。
的中率は99%くらいらしく残り1%は努力して下級から中級にあがったなどのようなものらしく、実質１００％である。

少しして生徒たちのどよめく声が聞こえた。

「属種　第一女神」
周りの人たちは尊敬と憧れのような眼差しをその人に送る。アリスだ。

本当に女神様だったのかぁ。遠くにいるアリスがさらに遠く見えて少し苦笑する。自分はすごい人といたんだなぁと。

徐々に自分の番が近づいてくる。近づいてくるにつれて前の方の人の属種も聞こえてきた。
下級神官、下級悪魔、上級の属種がでたら周りが少しどよめく、そんな感じだ。
僕は、まぁ下級の何かになるのだろう。何になろうとも孤児院を手伝い巫女姉の力になれればそれでいい。


そう・・・思っていた。

「・・・んっ！？」
僕の番、指導員は顔を歪める。

「差義理歩、もう一度宝玉に手を」

計り直しなど今までなかったのだが、まぁ誰でも失敗はあるかそんなに手間がかかるわけでもない。

「・・・・少しまってなさい」
「はっ　はい」
少しすると他の検査をしていた指導員と年長であろう指導員がさっきの指導員とかわり僕の検査をする。

「さぁ　手を」
僕は言われた通りに宝玉に手を置く。

指導員たちは目を見開き驚いたような顔をみんなしている。年長の指導員も絶句しているような感じだった。

珍しい上級の属種でもでたのだろうか。そんなことを思っていた僕の考えも指導員の言葉で吹き飛ぶことになる。

「ぞっ　属種　魔王サタン」