魔王と女神のシンフォニア
少し話をしてみたいなぁと言うこともあって部屋の外で彼の準備をまっていたのだが、

「これ以上、迷惑をかけてしまえばころされ・・いや、申し訳ないですから先に行っててください。」
と彼に必死の形相で言われたため登校することにした。


検査の会場に着くともう検査の終わった人もいた。

私も列に並ぶ。
ふと後ろから声をかけられる。

「やっほー アリス♪」
「あら ルビィ。」

ルビィは知り合いの一人で母の妹、第二女神の娘で従姉妹のようなものだ。

「ルビィ検査は終わったの?」
「まぁ 第二女神だったわよ」

女神は一から七まで分類され配属される。力は女神同士が争うという概念がないためわからないがひとつずつ意味をもった存在になる。

「心配しなくてもアリスもおばさまと同じ属種になるわよ」
「えぇ 私もそれを望むわ。」
とルビィに微笑みかける。

「じゃあ また終わったら会いましょ」
手を降りながらルビィは学園を後にした。


少ししたら、げんなりした顔で差義理さんが来ているのが見えた。遅刻だがギリギリセーフにしてもらったのだろう。

そんなことを考えていると自分の番になる。

「アリス・レーベル宝玉に手をおきなさい。」
「はい」
深く一回深呼吸をしてからおく。

「属種 第一女神」

ほっとしたとりあえず率直な感想はほっとした。

周りから「おぉ」というどよめきが聞こえるが今はどうでも良かった。

それよりも興味を引くものがあったからだ。
彼、差義理歩が何の属種になるのかそれが知りたかった。


普通15歳までは天界か魔界どちらかに大体の人が住む。するとオーラというか体から発するものがどちらかに傾くまた、それによって属種も想像できる。

しかし、差義理歩にはそれがなかった。それ故か少し興味が沸いたのかもしれない。


彼の番になると今までこっちの列を見ていた指導員も差義理さんのところに行っていた。

おかしい。こんなことは異例のはずだ。一人の生徒を何人もの指導員が検査するなど。
私は息を飲んで見守る。
そして、

「差義理歩 属種 魔王サタン」
< 40 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop