魔王と女神のシンフォニア
「お祖父様は、本当にここで死ぬつもりだったんでしょうか?」
呆れたように少女は口にする。

「おぉ 巫女帰っておったか。」
巫女と呼ばれる少女はまだ幼さがのこるかわいらしい女の子であった。

「まぁ 久しぶりの長期休暇ですしね。帰ってきたらお祖父様が男三人に言い寄られているので思わず10分くらい鑑賞してましたよ」

「なんと わしの孫はわしを見捨てる気でいたのか。オヨヨ」

わざと嘘の泣き真似をする。

「まぁ 外は雨ですから速く中に・・」


ウオォォォォ!

少女の背後に倒れていた上官衛兵だけはどうやらまだ息が絶えていなかったらしい。

「・・・・うっ!」
少女も防御が間に合うかどうかというくらい隙をつかれた。


バンッ!

少し大きな音がすると同時に目の前の衛兵がいなくなった。いや、消し飛んだ。

「詰めが甘いのも相変わらずじゃな。」
老人はにこにこしながら少女に告げる。

「本当に・・・お祖父様が怒ると恐ろしいですわね」
少し冷や汗を流しつつ笑顔を作り返す。

「まぁ 立ち話もなんじゃ。家に入るかのぉ」

少女と老人、そして老人に抱かれた三者はゆっくりと建物の中に入っていった。
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