魔王と女神のシンフォニア

ｺﾞｸｯと息を飲む。
スカートは履いているのだが上半身はまだ下着しかつけておらず、こんな時なのに「わぁ　肌が白くてきれいだなぁ」と思ってしまうほどの美貌。


・・・・・刹那
着替えをしている少女と目が合う。

・・・場が凍る。

多分何秒くらいなのだろうが自分には何十分とも言えるような錯覚を覚える。

少女は驚いたように目を見開いてこちらをみている。


・・・・・よく、よく考えるんだ差義理歩！今この場でまず何をすべきかを！

・・・・謝る。そうだまずは謝らなければ！闇の掟第一条だ！

意を決して彼が口を開こうとする・・・刹那！

「あっ！あのっ！」
「いやぁぁぁぁぁぁ！」

ｺﾞﾝ！

何か・・・何か凄く固いものが顔面にめり込む。

距離は入り口から端のベッドで少し離れていたので何かを投げられたのだろう。それにしても・・痛い・・痛すぎる。

その痛みは歩の意識を刈り取るのに十分な痛みだった。


薄れゆく意識の中でぼんやりとだが少女が心配そうに近づいてくる。

何かを言っていることはわかるのだが頭がぼんやりして聞き取ることはできない。

ただ歩は一心に思った。
速く・・・速く服をきてください！と。