魔王と女神のシンフォニア
―――――――

何だか柔らかくていい匂いがする。
・・・というか最近この感覚を何故かあじわったことがあるようなきがする。


不意に頬がつねられているような痛みを感じる。

ｲﾀﾞﾀﾀﾀ。
その痛みで意識が少しずつもどってくる。

目を開けるとニコニコしながら少女が・・・アリス・レーベルが僕の頬をつねっていた。

幸か不幸かすぐに目があってしまう。

アリスは笑顔のまま顔が固まってしまった。

・・・もちろん僕の時も止まる。

いっ　いかん！この状況を打破せねば！
意を決して僕は口をひらこうとした・・刹那！

「あっ！あの！」
「いやぁぁぁぁぁぁ！」

ｺﾞｽｯ

後頭部に強い衝撃が加えられる。とたんにまわりの意識が歪む。


また彼女は心配そうな顔をして何か言っていた。
しかし、それを聞き取ることはできない。


消えゆく意識の中で歩はひとつの真実に気付いた。

あぁ　前は焦ってまったくわからなかったけど柔らかくていい匂いだったのはアリスの膝枕だったのか・・・。と。
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