魔王と女神のシンフォニア
「あぁ すみません。本当にあなたがあの魔王なのかなと思いまして。」
笑いで起こった涙を人差し指でぬぐいながら私は率直な感想を告げる。とても悪い人、ましてや魔王には見えない。

「あなたはその・・・皆みたいに僕のことを怖がらないんですね。」
彼は気まずそうに口を開く。



「・・・・正直に言えば少し怖かったです。」
これは正直に思っていたことだ。魔王クラスになれば力の弱い相手だと睨むだけで失神させれる、いやもしかしたら殺すことも可能かもしれない。



「でっ でも。」
私は言葉は続ける。
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