魔王と女神のシンフォニア
「・・・・それで、私を幽霊だと思って後ろから抱きついてきた・・・と。」

コクリ。

普通ならば、変態扱いされるだろうが、彼女は納得したように口を開く。

「よく・・・間違えられるんですよ。監禁部屋の亡霊・・・とかね。」
寂しそうに彼女は言う。
しかし、すぐに僕に向きなおし、

「それでも後ろから抱きつく何てどうかしてますよ!私、本当にびっくりしたんですから!ええと・・・」
「あっ 差義理歩といいます。」
名前に反応するように彼女は体をピクッと反応させる。

「差義理・・・歩?あの魔王サタンの?」
と聞いてくる。
知っていたのか・・・まぁあれだけ大騒ぎになったら知っていても不思議ではない。

「はっ はい・・・。」
ばつが悪そうに僕は返事をする。
しかし、返ってきた反応は僕が思っていたのとは違う反応だった。

「やっと・・・やっと会えたわ。」
彼女は泣いていたのだ。しかも、恐怖とはちがうどちらかと言えば嬉しくて泣いているようだった。

「あっ あの」
「あぁ ごめんなさい。私はフェリス・エリシアと言う者です。」
フェリスはふと昔話を始めた。
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