魔王と女神のシンフォニア
ｼｭｯとフェリスの姿が消えたと思うと目の前にフェリスが現れた。

「うがう！」
閃光のような速さで拳を振るう。
かろうじて避けるが避けきれず僕の頬をかすめて後ろの壁に拳がめり込む。

ﾄﾞｰﾝと重く地響きなような音がする。

「これは・・・手に終えないかも」
冷や汗を流しながら考える。呪い自体に力を当てるのはこの状態では無理だ。シンクロしすぎている。

余計なことを考えていると死角から隙をつかれる。
ﾔﾊﾞｯと思った時にドアが勢いよく空いた。

「どきなさい差義理くん！」
シフォンだ。いつものようなゆっくりとした口調ではなく目がすわっている。

シフォンは素早くフェリスに近づくがフェリスが拳を放つ。

「先生！」
フェリスの拳はシフォンに貫通しているようにみえたが残像だった。
シフォンはいつの間にか背後をとり、
「眼帯！」
と叫ぶ。
僕はすぐさま眼帯を渡す。

フェリスは眼帯を着けると一瞬苦しむような動きをみせた後、ﾊﾟﾀﾘと倒れた。
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