誘惑のクラン(血族)
そんなことを考えたのは、璃子だけではなかった。


少しして解散すると、美菜は自分の部屋に行かずに、璃子の部屋に入って来た。


そしてベッドの上にぽすんと座ると、美菜は口を開いた。


「ねえ? 香織さんと優真さん、本当に兄妹なのかしら? なんか怪しい雰囲気じゃなかった?


「美菜もそう思った? 私もふたりは恋人同士みたいって思った」


「香織さん、優真さんにべったり。なんか妬けちゃった。音羽ちゃんとは違うよね」


「……うん」


璃子も同じ気持ちだった。


「璃子は優真さんが気になるんでしょう? 私のタイプは碧羽くんだけどさ」


「……うん。すごく気になるの……昨日会ったばかりなのに変だよね?」


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