誘惑のクラン(血族)
「よほど良い条件を出されたようだな」


「……はい。私には恐れ多い程の――」


「音羽か……」


優真は八条の思念を読んだ。


「……はい。私の妻にと。音羽様は魅力的なお方です。抗えませんでした……」


八条は優真の行動を長に逐一報告していた。


すぐに崇と彰がやって来たのも、危機感を感じた香織が現れたのも納得がいく。


優真は八条以外に側近を置いていない。


長に密告する者がいるのなら、身近にいる人間か、この屋敷を外から見張っている者だろうと、検討をつけていた。


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