誘惑のクラン(血族)
誘う笑みに優真は華奢な身体を抱きしめた。


細すぎるな……。


香織を数えきれないほど抱いているというのに、抱きしめると違和感を覚えた。


脳裏に璃子を抱き上げた時が思い出される。


いつの間にか香織と璃子を比較していた。


「お兄様、早くキスをして」


香織は唇を突出し求める。


半ば開いた唇が、薄い唇に重なり濡れた舌先が入り込む。


優真の長い指が、長い髪に隠れるワンピースの後ろのジッパーに届く。


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