誘惑のクラン(血族)
「どうして……?」


部屋は小さな電気も点けられておらず真っ暗なのに、気にならずに歩いている。


そして足首の痛みも全く感じられないことにも気づいた。


「なんで……? 私の目……」


自分の中で何かがうごめき、自分の身体が自分のもので無い感覚。


「ううん。暗闇の中で目を開けていたから慣れただけだよ。足首も軽い捻挫だった」


璃子は無理に気にしないよう歩き始めた。



廊下と階段はフットライトが点けられており、薄明かりに包まれている。


その明かりに少しホッとして、階段を下りていく。


< 116 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop