誘惑のクラン(血族)
なんてことをしてしまったのだろうと青ざめ、視線をふたりに動かすと優真は顔を歪ませていた。


紅い瞳で璃子を見つめている。


璃子は優真の紅い瞳に呼吸が出来なくなるほど驚いた。


どうして……瞳が紅い……私の見間違い?


何度も瞬きしたが、自分を見る優真の瞳は紅い。


香織は優真の後ろに隠れたようで、姿が見えない。


紅い瞳はヴァンパイアの象徴。


茫然となった璃子は我に返ると、喉の奥から小さな悲鳴を上げた。


「……ヴァンパイア……?」


璃子は恐怖におののいていた。


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