誘惑のクラン(血族)
門から灯りのある家まで5分は歩いた気がした。


やっと洋館が間近に見えてホッと肩を撫で下ろすが、先ほどの驚きでまだ心臓がドキドキしている。


璃子は洋館の周囲を見てさらに肩を落とす。


見たところ、車は一台も見当たらない。


「美菜、車ないね?」


車があればガソリンを分けてもらえるのではないかと期待した。


留守なのだろうか、この辺は車が足代わりだから無いはずはないのだから。


「大丈夫だよ」


美菜の自信に璃子は再び首を傾げた。


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