誘惑のクラン(血族)
まさか、優真さんがヴァンパイアだったなんて!


心臓が鷲掴みにされたように痛む。


優真への憧れは奈落の底に叩きつけられた気がした。


とにかくこの場を離れなければと意識の下で考えたのだろう、足が玄関に向かっていた。


そのまま璃子は玄関を出て、暗闇の中を走っていた。


恐怖が襲いかかり、璃子はパニック状態だ。


逃げなければ……。


その思いで、暗闇など気にせずにむやみに璃子は泣きながら駆けていた。



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