誘惑のクラン(血族)
ふと、璃子を抱き上げた時の彼女の頬を赤らめる姿を思い出す。


これで良かったのかと、自問自答する自分。


長になりたいなどと、本心まったくない。


ならば、彼女を無事に転生させてもよいのでは?


驚き、顔を歪め、涙が大きな目に溜まった悲痛な表情の彼女に、優真の胸がざわめき立つ。


「部屋に戻れですって? お兄様! 酷いわ!」


優真は床に丸まったワンピースを拾うと、香織に軽く投げる。





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