誘惑のクラン(血族)
「い、いや!」


「カアアアア、カアァアアア――」


「いやーっ!」


璃子はその場にしゃがみと両手で耳を塞いだ。


全身が恐怖で震えている。


どうしたらいいの?


「あ!」


屋敷に美菜を置いて来てしまったことに気づく。


あの人たちはヴァンパイア! 美菜が殺されちゃう!


今の璃子には優しくしてくれた優真のことなど、頭の片隅に追いやり、彼らは残忍なヴァンパイアにしか考えられなくなっていた。


< 126 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop