誘惑のクラン(血族)
眠っている姿は20年前の愛した人そっくりだ。


優真の愛は彼女に知られることなく、親友に委ねた。


あの頃の自分は今の自分より、人間味を帯びていた。


人間臭い愛情と言う感情を持っていた。


その感情のせいで、自分の感情を貫くことなく彼女の為を思い、彼らの前から去ったのだ。


あの時の欲望が蘇り、思うままに璃子の身体を奪いたくなる衝動にかられる。


バスタオル一枚が身体に巻かれた姿。


私はこの娘が欲しい……。


自分の中に久しぶりに芽生えた欲望。


優真は璃子の身体に巻かれたバスタオルの端に手を伸ばすが、柔らかい布地に触れると動きが止まる。


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