誘惑のクラン(血族)
璃子は力いっぱい覆いかぶさる肩を叩いた。


簡単に離れた優真から更に逃げようと、身体を起こしベッドの上をずりずりと移動する。


瞳だけは優真に釘付けで、恐怖におびえた目で見ている。


「殺すならさっさと殺して!」


優しい親切だと思っていた目の前の男性はヴァンパイア。


身体を弄ばれながら最後には殺される。


そんなのは嫌! 早く殺して。


あの男からどうして優真に代わっているのか、わからない。


そしてどうして優真の部屋にいるのかも。


璃子は気が狂いそうで金切り声を上げるしかなかった。


< 145 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop