誘惑のクラン(血族)
恥じらう人間など、ここ最近会っていなかったな。


どの女も快楽を求め、自分の完璧な身体をさらけ出す。


そんな女より、今の璃子は好ましい。


「璃子ちゃん、言ってごらん」


優真は先ほどのキスで膨らんだ璃子の唇にそっと指先を置く。


「私は……優真さんの……恋……人……」


「そうだよ。私達は恋人同士だ」


「優真さん……」


にっこり笑みを浮かべると、璃子は唇に触れる優真の指に手を重ねた。


「疲れただろう? もう眠るといい」


「はい……」


璃子は優真の広いベッドに横になると、目を閉じた。


< 148 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop