誘惑のクラン(血族)
「璃子ちゃん! 大丈夫かい!?」


優真の心配そうな顔が、苦痛に歪める璃子の目に入って来た。


その顔を見たら、璃子の警戒心は跡形もなく崩れ去った。


「……美菜……は……」


璃子はカウンター中に飛ばされた美菜が心配だった。


なぜ自分に血の匂いがわかるのか……美菜の血の匂いが強く鼻を突いている。


優真は立ち上がりカウンターを見ると、音羽が美菜を抱き上げている所だった。


美菜の血に誘起されて、音羽の瞳が赤く変わっている。


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