誘惑のクラン(血族)
「そうだね。不思議と君は落ち着いている。何も心配することはないが、聞いてほしい」


璃子を助けると決めた優真は自分に言い聞かせるように言った。


「心配?」


「君は……20才になる前にヴァンパイアに覚醒してしまうんだ」


「ええっ!? 嘘です!……そんなことがあるわけない。私がヴァンパイアになるなんてありえません!」


ヴァンパイアに血を吸われても、自分も吸わなければ覚醒しないと聞いている。


突拍子もない優真の言葉に璃子は落ち着きを保てない。


ソファから立ち上がると大きく首を横に振り、大きな目で優真を見た。


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