誘惑のクラン(血族)
「私がこの別荘へ来るように仕向けたんだ」


だから、狐につままれたようにホテルにたどり着けなかったのだ。あの時に受けた違和感は間違いなかった。


「とにかくヴァンパイアになっても心配はいらない」


「それは……いつ? 私はいつヴァンパイアになるんですか?」


「おそらく数日中には。人の血を狂いそうになるほど欲しくなったら私に言うんだよ……それから信用していいのは碧羽だけだ」


「碧羽くんだけ……?」


「そう。出来るだけ私の傍にいるんだ。もちろん夜もね」


「えっ!?」


夜と聞いて璃子は急激に熱くなり、色白の肌をピンク色に染めた。


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