誘惑のクラン(血族)
あの娘が血の儀式を行う前にどうにかして殺さなくては。


お兄様に相応しいのは私だけ。長がきっと説得してくれる。


香織は大きくため息を吐いた。


「いいわ。東京へ戻ります。喉が渇いたわ。八条に血を持ってくるように言って」


「わかった。すぐに持ってこさせよう」


優真はそう約束すると、その場を離れた。


******


その夜、璃子は優真の部屋に呼ばれた。


璃子が2階の部屋を出て階段を下りようとすると、階下の手すりのところに優真が立っていた。


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