誘惑のクラン(血族)

乾杯

「階段を踏み外すなんて。もう少しで首の骨を折っている所だった」


少し怒ったように優真の眉間に軽く皺が寄る。


「ご、ごめんなさい。助けてくれてありがとうございます」


やっぱりヴァンパイアだ……。4メートル以上離れていたのに、私は落ちることなく助けられていた。


「歩けますから、下ろしてください」


「いや、このまま抱いていった方が早い。またケガをしかねない」


優真は恥ずかしがる璃子の額にそっと唇を押しあてる。


「優真さんっ!」


まるで本当の恋人のように扱われ戸惑うばかりだ。


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