誘惑のクラン(血族)
「どうしてそう思うの?」


「優真さんといるとヴァンパイアになることが怖くないし、こんなこと言っては変ですけど……すごく……優真さんに惹かれていて。私、優真さんを好きみたいなんです」


それに私はこんなことを口にするタイプじゃなかった。




優真は璃子に好きと言われて、多少の罪悪感は否めない。


璃子を妻にするのは彼女が好きだからではない……。


まっすぐに曇りのない綺麗な瞳で見つめられると、優真は一瞬視線を逸らした。


「暗示にかけてなんかいないよ。君はかかりにくいタイプだよ。意思が強いんだね。自分が逃げたいと思う時以外は無理なようだ。かかっても長くは続かない」


「そうだったんですね」


自分の気持ちが暗示されたものではなくて安堵した。


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