誘惑のクラン(血族)
本棚から読めそうな詩集を手に取りめくっていると、優真と碧羽が入って来た。


「璃子ちゃん、これから客が来るんだ。碧羽とここにいて欲しい」


優真が少し落ち着かないように見えるのは気のせいだろうか。


「わかりました」


璃子は笑みを浮かべて返事をした。


優真の表情が和らぎ、璃子の額に口づけを落とすと娯楽室を出て行った。


碧羽は璃子の目の前のソファに座った所だ。


そして璃子をじっと見る。


「ど、どうしたの? 碧羽くん、何か顔についてる?」


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