誘惑のクラン(血族)
「尚哉様……いったい何しに、ここまで!?」


碧羽は警戒を解かなかった。


尚哉はクッと喉の奥で笑う。


「大事な兄から彼女を守るように言われたか。そこらの雑魚ではお前に勝てないかもしれないが、お前では俺には勝てない。しかし、俺は彼女を殺す為に来たのではない」


真夏にもかかわらず尚哉は暑そうなライダースジャケットを着こんでいる。ズボンも皮のものだ。


しかし表情は涼やかそのものだ。


璃子は尚哉と呼ばれた男と碧羽を交互に見ている。


不安そうな璃子の元へ碧羽が戻って来た。



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