誘惑のクラン(血族)
「璃子ちゃん? 疲れているみたいだね。少し休むといい」


表情の冴えない璃子。


優真は璃子の側頭部にそっと手を置き、自分の肩にもたれさせる。


「お前にそんな優しさがあるとはな」


優真と璃子を見ていた尚哉は呆れた。


優真の肩に頭をつけると、璃子は暗示をかけられているわけではないのに眠気がやってきた。


すーっと眠りに引き込まれていくよう。


まだ聞きたいことがあるのに……。


あっという間に眠った璃子に、優真はいつの間にか笑みを浮かべていた。


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