誘惑のクラン(血族)
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屋敷に到着すると、碧羽と音羽がリビングで歌番組を見ていた。


「おかえり~」


碧羽はいつものように明るいが、音羽は璃子を見るが何も言わず再びテレビ画面を見る。


「優真さん、先に休みます」


リビングに入ったのだが、くるっとUターンするように出て行く璃子。


優真は璃子が階段を上り始めているのを見て声をかけた。


「寝るのはそっちじゃないよ」


階段の途中で立ち止まった璃子は振り向いた。


「ひとりになりたいんです」



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