誘惑のクラン(血族)
「彼女の父親は――」


優真が説明をしようとした時、碧羽が手を挙げた。


「思い出した! 大沢って言ったね? あの子は大沢博士の娘なの?」


大沢博士 かつてヴァンパイアの研究者として第一人者だった男だった。研究に一役買ったのは今ここにいる優真で、彼らは親友と言っても過言ではなかった。


そして大沢博士は、優真のかつて愛した人を託した男でもあった。


人間を愛してしまった優真は、苦渋の思いで愛した女性を手放した。


それが、璃子の母、沙耶だった。


その後、優真は2人に合わないと決心をかため、研究材料で必要な純血種としての自分の血だけを人をやって届けさせていた。


< 25 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop