誘惑のクラン(血族)
「……私、優真さんを信じる……」


「君は素直でいい子だね。兄さんが正しい。他のヴァンパイアの言うことに惑わされちゃだめなんだ」


璃子は頷いた。


「私、大丈夫だよ。碧羽くんは自分の部屋で休んで」


「ひとりになる時間も必要だよね。わかった。廊下にいるから。ドアは開けておくよ」


璃子がそんな事しないで。と言う前に、碧羽は出て行った。


ひとりになった璃子はようやく気持ちが吹っ切れた気がした。


優真さん……早く戻って来て……。


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