誘惑のクラン(血族)
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優真の別荘から5キロほど離れた石造りの別荘の前に来ていた。


外壁は蔦などが這い、しばらく使われていないようだ。


雨戸がきっちりしめられており、がっしりした建物だ。


ゆっくりと玄関のドアノブに手をかけると、簡単に開いた。


「優真様」


開いたドアの先に崇が立っていた。


「お前が彼女に余計なことを吹き込んだな」


優真はその場で静かに問いただす。


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