誘惑のクラン(血族)
「余計なことではございません。大事なことです。このような所で優真様をお迎えするのは失礼ですね。どうぞこちらへ」


崇は奥の部屋へ優真を招く。


どこかの部屋から香織の気配に優真は気づく。


「香織がここにいるのか?」


「さすがは優真様。ええ、気晴らしが必要だと言われ、いらしております」


「それに……人間も数人いる」


人間の血の匂いがこの別荘には漂っている。


「はい。香織さまがたくさんの血を欲しがり、人間を集めたのです」


「記憶を操作し、元の場所に帰すように」


優真は血を吸いつくし殺すことにいつも反対している。


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