誘惑のクラン(血族)
「はい。もちろんでございます。用が済めば元の場所へ送ります」


優真は崇の態度になにかを感じた。


違和感があるものの、なにかはわからない。


「どうぞ。香織さまをお呼びしましょう。人間の血で更に輝くばかりの美しさですよ」


崇は優真にソファを勧める。


「香織は呼ばないでいい。お前たちと話をしたいだけだ」


ソファに座らずに立ったままだ。


「わかりました。では――」


突然、崇が優真に殴りかかってきた。


咄嗟に避けるが、次の瞬間ヴァンパイアと人間が数人、部屋になだれ込んできた。


ナイフを持った人間の5人はうつろな瞳で崇に操られているようだ。


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