誘惑のクラン(血族)
「彼女に手を出すな!」


動けば更に輪が縮まり、手首を締め付けてくるのを承知で優真は腕を動かした。


動かすたびに手錠はぎりぎりと嫌な臭いと共に締めつけていく。


それでも優真は痛みに耐え、手錠を引きちぎろうとした。


「くっ……」


「おい! 優真さまを隣の部屋へ」


優真は数人の大柄なヴァンパイアに抱えられ、崇の指示通り隣の部屋に連れて行かれる。


部屋には中央に新品のセミダブルのベッドが置かれていた。


ベッドの上に投げ出される身体。


優真が抵抗する前にベッドの手すりに手錠がかけられる。


両腕は上げられ、ちょうど万歳をした形だ。


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