誘惑のクラン(血族)
なんと言うことだ……。


なにも出来ないとタカをくくっていた。


崇が長側につくとは……。


思い通りにはさせない!


手首は強烈な痛みだが、この程度なら外せるだろう。


そう考えた時、優真に手錠をかけた人間達が近づき、サシェを顔の枕元に敷き詰めるように置いて行く。


嫌な臭いが充満し、優真の呼吸が乱れ始める。


「手錠だけでは心許ないので、しばらくこの香りを嗅いでいてもらいます」


「っ……! ここからだせ! 彼女に手を出すんじゃない! うっ、はぁ……」


意識が朦朧としてきた優真は必死に繋がれた腕を動かす。


その力はベッドを揺らすほどだ。


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