誘惑のクラン(血族)

覚醒

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廊下に座り込んでいた碧羽は優真が出かけてから2時間以上経ったことに嫌な感じを受けた。


なぜ戻って来ないんだ?


おかしい……。


万が一戦ったとしても兄さんが負けるとは思わないが……。


碧羽は開いているドアから部屋の中を覗き、ソファに丸くなって眠る璃子を確認した。


様子を見に行った方がいいのだろうか。


いや、璃子さんから離れるわけにはいかない。


「碧羽」


声をかけたのは音羽だった。


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